AFFCが開催中止に。その裏側にある“大会運営の実態”とは?

ここ集中!横田陽介です。

先日、今年のAsian Freestyle Football Championship(以下AFFC)が開催されないことが決定的となりました。

 

AFFCといえば、文字通りアジアのチャンピオンを決定する大会です。

大会上位に入賞して(※)F3ポイントを獲得すると、翌年のF3 World Tourに参加して世界を回れるチャンスもあるので、人生をかけて挑むフリースタイラーもいます。その一方で、フリーエントリー(アジア諸国の国籍があれば誰でも出場できる)なので、腕試しベースで観光メインに参加する選手もちらほら。

※F3ポイント・・・Freestyle Football Federation(F3=世界フリースタイルフットボール連盟)が定める、公式大会の順位に応じて得られるポイント

 

2013年ベトナム、2014年マレーシア、2015年インドネシア、2016年フィリピンと国を変えて開催してきたAFFCが、今年は開催されないことに各国のフリースタイラーも嘆息を漏らしています。

 

今年、開催されない背景には、運営上の問題があります。

AFFCを開催しているのは、Asian Freestyle Football Federation(以下AF3)という団体です。日本語ではアジアフリースタイルフットボール連盟です。

この連盟のトップは、世界中で有名なフリースタイルフットボールのパイオニアであるNam The Manです。以下、アンバサダーとして各国から1人ずつ、その国の代表的なフリースタイラーが選ばれています。


(左から)横田陽介、Ko-suke、Nam The Man

私自身も2014年から日本のアンバサダーとして名を連ねており、日本はアジアの中でもダントツのフリースタイル大国であることから、副理事に相当するポジションで活動していました。とはいえ、連盟といっても実態はほぼボランティア団体です。

理事長であるNamの主導による年に1度のAFFC開催、そしてアンバサダーによる年に1度の各国における国内大会開催がメインの役割ですが、それ以外にもアジア全体で連携を取るために、各国のフリースタイルフットボール事情を報告しあっています。

さらに、AFFCの舞台裏では各国のアンバサダーが一堂に会してミーティングを開催しています。

 

これらの活動による報酬は0円、それどころかAFFCの裏で行われるミーティングに参加するためには、身銭を切って海外まで行く必要も出てきます。

私が主導で開催している日本大会のJapan Freestyle Football Championship(以下JFFC)では、準備におよそ3ヵ月かかります。直前の2週間くらいは、ほぼ準備にかかりっきりになります。普通の社会人が片手間でやるのは、なかなか難しいレベルですね。アジア大会となれば、各国の事情もあり、JFFCよりもNamは大変だったと思います。

 

彼にも家族がいて、フリースタイルフットボールに限らず仕事もあるという状況を考えると、今回Namが主宰を降りたことは仕方ないし、むしろ今までよくやってくれた、ありがとうという気持ちになります。

『代わりに主導してくれる連盟のメンバーはいますか?』と聞いたところ、誰も名乗り出なかったことも、いかにAFFCを主宰することが大変か、近くで見ていたメンバーだからこそ名乗り出ることができなかったのではないかと思います。

 

世界的にもどんどん競技人口が増えて、知名度も上がっている昨今は、大会も増えて自分たちの技術を披露する場も増えてきています。

しかし、その裏では今回のように、見えないところで色々な努力や調整をしてくれている人がいます。テンプレートのような文章で恩着せがましいかもしれませんが、そうやって疎まれるリスクを承知でやっぱり言いたくなるのです。

「感謝を忘れずに!」

 

P.S. AF3としては、今年は間に合いませんが、来年のAFFC復活に向けて鋭意努力しています!

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投稿者プロフィール

Yosuke Yokota
Yosuke Yokota
2008年に世界大会「Red Bull Street Style」で準優勝を果たしたフリースタイルフットボール界のパイオニア。現在はリーダーを務めるBall Beat Crewで幅広くパフォーマンスを行うほか、JF3や株式会社Ball Beatの代表を務め、シーンを牽引し続けている。

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