2月22日(木)に、DAZN主催の世界大会「DAZN World Freestyle Masters 2018」が開催となります。同大会では、世界ランキングの順位や実績に基づき選出された男子16名、女子8名のフリースタイラーたちが頂点を目指します。

開催が直前に迫った世界大会の注目ポイントと優勝予想を紹介します。

注目ポイント

①ハードコアとスタイルの対決

今大会には、SUPER BALL 2017王者のRicaldinho(ブラジル)やTobias(ノルウェー)、ErlendとBrynjarのFagerli兄弟(ノルウェー)など、エアームーブを中心にハードコアな技を極めたフリースタイラーが数多く出場します。彼らはバトルの1ターン30秒間であらゆるスキルを詰め込み、限られた時間を最大限に活用して戦います。

特にRicaldinhoやErlend、Boyka(コロンビア)は強烈なアクロバットも備えており、一発の技で絶大なインパクトを与えることができます。

一方で、PWG(フィリピン)やGautier(フランス)などはスタイルを重視しており、フロー(流れ)のオリジナリティや30秒間での構成力、起承転結など、バトル全体を通して自身のスタイルを表現します。

 

両者は一長一短で、ハードコア重視であれば一つの強烈な技や、強烈な技を繰り返し披露することでインパクトを与えることができます。しかし、既存の技を繋げたコンボなどが多く、目新しさに欠けるという弱点も持っています。

スタイル重視であれば、30秒間独自の技やフローを披露し、その独創性で勝負します。ただ、エアームーブやアクロバットほどに一発の威力はなく、技の目新しさや音楽との融合性でインパクトを与えることになります。

Michryc(ポーランド)やYo(日本)は、このハードコアとスタイルを兼ね備えたフリースタイラーという見方ができます。

 

近年、Red Bull Street StyleやSUPER BALLなどの世界の主要大会では、ハードコアなフリースタイラーが主に優勝を重ねています。ジャッジや大会の特色によっても両者の評価は異なりますが、それぞれに魅力があり、表現の違いを発見することも大会を楽しむ上でのポイントといえます。

 

②世界を驚かせる“兄弟”

今大会には、ノルウェーのBrynjar Fagerli(兄)とErlend Fagerli(弟)が、兄弟で揃って出場します。彼らは「Fagerli Brothers」としてパフォーマンスを行っており、SUPER BALLのDouble Routine部門では昨年、日本のYOSSHI&YU-Jなどを抑えて2連覇を果たしました。

個人戦では、EFFC(ヨーロッパ大会)やSUPER BALLなどで何度も兄弟対決が実現しており、エアームーブを中心としたハードコアなバトルを繰り広げています。

日本王者として出場するYoは、今大会で対戦したい選手の中にFagerli兄弟を挙げていました。Yoは昨年に出場した「Carabao Freestyle Football World Cup」の準決勝で、Brynjarに勝利。決勝ではErlendと対戦し惜しくも敗れましたが、今大会でのリベンジを誓っています。

また、ノルウェーからはFagerli兄弟と併せてTobiasの出場も決まっており、一カ国から3人が出場するのは今大会最多となります。ノルウェーの期待を背負い、“世界最強の兄弟”がタイトルを狙います。

 

③日本人選手の活躍

今大会には男子部門にYo、女子部門にmoe-Kと、日本から2選手が出場することが決定しています。

Yoは初戦でスウェーデンのKaldoffと対戦します。“回転系”のエアームーブとノータッチを得意とするKaldoffですが、エアームーブ以外のジャンルでは目立ったインパクトはなく、オールラウンドなスキルを誇るYoに十分な勝機があります。

続くベスト8では、Ricaldinho(ブラシル)対Jesse(オランダ)の勝者と対戦しますが、Ricaldinhoが勝ち上がってくることが予想されます。

 

Yoは2017年を振り返り「1回も自分のスタイルを出せなかった」と語っており、今大会で自身のスタイルを出し切るために準備を進めてきました。現役世界王者のRicaldinho戦では、準備してきた要素を余すことなく出し切ることが求められます。

初戦から決勝まで出し惜しみが効かない世界16強の戦いですが、Yoは「そのほうが楽しい」と強気な姿勢を示しています。彼が持つハードコア+αを全て出し切ることができれば、世界の頂点に手が届く可能性は広がります。

moe-Kは初戦でポーランドのKalinaと対戦します。SUPER BALLで優勝経験を持つKalinaは優勝候補の筆頭といえます。

強豪を初戦で迎えるmoe-Kは、今大会が世界大会初出場となるため、経験値の差をいかに埋めるかも勝負のポイントに挙げられます。ただ、女子は自分のスタイルを確立しているフリースタイラーが数少なく、オリジナリティ溢れるmoe-Kのスタイルは目新しさがあります。その目新しさがジャッジにどのような影響を与えるかが勝利の鍵になります。

日本の女子フリースタイラーのトップを走る16歳は、ホームの後押しを受け、まずは世界大会での初勝利を狙います。

 

優勝予想

男子部門:Michryc(ポーランド)

女子部門:Kalina(ポーランド)

Michrycはハードコアとスタイルの両面において優れており、技のバリエーションも豊富に備えています。オリジナリティやクリエイティビティに秀でた日本のフリースタイラーと似た感性を持っており、出場者の中でも類を見ないような独創的なパフォーマンスが期待されます。

SUPER BALLでは、多くのフリースタイラーが大会を観戦する中で、Michrycは日本人フリースタイラーのウォームアップを参考にしていたとのこと。日本のフリースタイルフットボールシーンに多大なリスペクトを寄せており、今大会の目標に「アートとしてのフリースタイルフットボールをもっと知ること」を挙げています。

KalinaはSUPER BALLの2016年大会で優勝を果たしたものの、2017年大会では決勝でLiv Cooke(イギリス)に敗れ、2連覇を逃しました。今大会はそのLiv Cookeが怪我で出場を辞退したため、優勝の可能性が高まっています。

SUPER BALLでの悔しさをバネに、自身2度目となる世界の頂点に挑みます。

投稿者プロフィール

Hiromu Tanaka
Hiromu Tanaka
中学生からフリースタイルフットボールを始め、大会やパフォーマンスなどに積極的に参加。現在はフリーランスで、スポーツを中心に様々なWebコンテンツを配信。JF3の運営をはじめ、フリースタイルフットボール界を盛り上げるべく、多岐に渡る活動を行っている。