8月4日(土)にJFFC 2018 supported by CHIMERA TV&GAMES決勝大会が開催し、Ko-sukeが2大会ぶり2度目の優勝を果たした。

優勝したKo-sukeは、11月にポーランドで開催される世界大会「Red Bull Street Style World Final」に出場する。

 

今大会では、32人中13人が決勝大会初出場となったが、いずれもベスト8以上に進出することはできなかった。ベスト4にはKo-suke、Tokura、Yo、Hiro-Kと、日本王者の経験を持つ4人が揃い、順当な顔ぶれとなった。

 

勝敗を分ける「時間の使い方」

JFFCのバトル形式は「30秒×3ターン」と定められている。時間の長さやターン数は大会によっても異なるが、JFFCでは初代大会(2015年)から一貫して、このルールで行っている。

世界で最も権威のある大会「Red Bull Street Style World Final」は昔こそ形式が異なったものの、Tokuraが優勝した2012年大会からは30秒×3ターンのルールが定着している。

JFFCは“世界で戦える日本人を決める”大会であるため、Red Bull Street Styleと同様のルールを敷いているという訳がある。

 

30秒×3ターンというルールがある以上は、毎ターンをどのように活用するかはバトルの鍵となる。また、決勝まで勝ち進んだ場合は、全部で6試合(30秒×18ターン)を戦わなければならない。

その18ターンを同じ戦い方で勝ち抜くのは困難である。時には、相手の特性やバトルの展開によって戦い方を変える必要も出てくる。さらには、ジャッジにできるだけ既視感を与えないためにも、戦い方のバリエーションは多いに越したことはない。

 

30秒の感覚

では、具体的に30秒×3ターンをどのように活用すれば良いのだろうか。JFFCを実際に見て感じたポイントは2つあり、1つは「30秒の感覚」である。

30秒の感覚とは、実際にバトルを戦いながら「もうすぐ30秒だ」と感覚的に測れる能力を差す。

 

30秒を感覚的に測ることができれば、ターンの最後に締め技を決めやすくなる。JFFCでは、絞め技を出すのが早すぎて時間が余ってしまったり、絞め技を出す前にブザーが鳴ってしまったりと、30秒の感覚が鈍い選手が散見された。

やはり上位に進出している選手ほど、この30秒の感覚は鋭いように思える。特にTokuraやKo-sukeなど、国内外でのバトル経験が豊富な選手に関しては、経験値の高さを強く感じた。

 

30秒の感覚を養うには、当然ながらバトルの場数を踏むことが重要ではないだろうか。もちろん、あらかじめ30秒のルーティーンを用意しておくこともできるが、ミスをしてしまうと時間にズレが生じてしまう。その際にリカバリーするためにも、30秒の感覚は重要となる。

世界大会では、スキルの高い選手たちが、30秒間ほぼノンストップでハードコアな技を繰り出してくる。現状の日本のフリースタイラーでは、そのハードコアに真っ向から対立していくのは難しい。

 

しかし世界のフリースタイラーは、スキルを30秒に詰め込むのが得意な一方で、日本人の特徴ともいえる“起承転結”のあるフローはあまり得意としていない。

その起承転結のあるフローで対抗するためにも、30秒の感覚はより重要だと言えるのではないだろうか。

 

技のバリエーション

30秒×3ターンを活用する上でのもう1つのポイントは、「技のバリエーション」である。

前述した30秒の感覚がいくら養われていても、結局のところ、技のバリエーションがないと30秒の“濃度”が薄れてしまう。

 

日本人はスタンディングやシッティングの技のバリエーションは優れているが、世界からは「アッパーが弱い」と言われている。

実際に今大会を見ていても、アッパーを有効活用できている選手は数少なかった。むしろ、アッパーはネタ切れした時に、時間を稼ぐための技として扱われている印象が強かった。

 

30秒×3ターンは、特にエアームーバーなどの何かのジャンルに特化した選手にとっては、長く感じられるかもしれない。

今大会でいえば、Yu-toやAmaなどの“特化型”は、得意なスタイルで上手くハマれば一発の威力を持っているが、ハマらなかった時の「プランB」が不足していた。

彼らが今後、もう一歩上のレベルに上がっていくには、やはり30秒×3ターンを優に戦えるバリエーションを備えなければならない。

 

Yu-toやAmaが所属している「Air Technician」の先輩である前回大会王者のYoも、今でこそオールジャンルにスタイルを持っているものの、以前は目立ったスタイルはなかった。

それが今は世界に照準を向けて、どのジャンルにも隙のないフリースタイラーになりつつある。

 

世界で戦う上では、30秒の中で無駄にして良い時間はほぼない。今回表彰台に上がったKo-suke、Hiro-K、Yoのような、オールジャンルで攻めることができる選手が勝ち上がるのは、“世界で戦える日本人を決める”大会のJFFCでは必然といえるのではないだろうか。

予選大会後のコラムでも述べたが、そういった意味でも、トップ3と他の出場選手の実力差は大きいように思えた。

投稿者プロフィール

Hiromu Tanaka
Hiromu Tanaka
中学生からフリースタイルフットボールを始め、大会やパフォーマンスなどに積極的に参加。現在はフリーランスで、スポーツを中心に様々なWebコンテンツを配信。JF3の運営をはじめ、フリースタイルフットボール界を盛り上げるべく、多岐に渡る活動を行っている。