YoとKazaneが、世界で「得たもの」と「得られなかったもの」

-スタイルがそこまで増えたわけではないものの、今大会はエアームーブが減ったような印象もありました。

Kazane:RicaldinhoやKaldoff、Tobiasが出なかった影響もあったと思います。

 

Yo:予選やトップ32を見ていると、JordanやMathieuなどのフランス勢に似たようなスタイルを持った選手は増えた気はしました。

-今大会には日本人選手が数多く出場しましたが、印象はいかがでしたか?

Yo:チームメイトのイブさん(Ibuki)に関しては、周りの上手い選手と蹴るのが楽しすぎて、調整不足だったかもしれないですね(笑) 前日に蹴りすぎている印象はありました。

 

Kazane:俺はたぶん、それで良いタイプなんですけどね。Yoとイブさんとなると、また違うと思います。

 

Yo:前日がかなり暑かったんですよね。僕もそこまで蹴らずに、一人でホテルに帰っていました。

 

Kazane:マインドの部分での問題もあったのかもしれないですけど、トップ32でVLOというのもなかなか難しい組み合わせではあったと思いますね。

出典:FLAIR20TV - HOME OF FREESTYLE FOOTBALL

 

今大会で「得たもの」と「得られなかったもの」

-運営面でSUPER BALLに問題を感じる点はありましたか?

Kazane:今年だけなんですけど、メインとサブで2ステージあって、2部門が同時開催されていました。そうなると、例えばIron Manに出たいのに、Battleがあるから出られないという事情も出てきてしまいます。

 

Yo:昨年までは4日間で全部門をやっていたんですけど、今年は3日間しかなくて、スケジュールがタイトだったんですよね。

最終日の会場も、年々規模が小さくなってきているようには思います。選手の控え室もかなり小さくて、十分なアップスペースが確保されていませんでした。

 

Kazane:トイレも一般の人と同じ場所にあって、選手は出番の前でも並んで待たないといけなかったですね。

 

-Double Routine部門でのYOSSHI & YU-Jの照明トラブルは、実際に見ていましたか?

Kazane:見ていなかったですけど、話を聞いた時は衝撃を受けましたね。また?みたいな。

※2016年にも音響トラブルに見舞われていた

 

Yo:僕は後で映像を見て確認したんですけど、ありえないことだと思いますし、なんでもう1回やらせてあげなかったのかが気になりますね。

出典:Street Soccer International
(YOSSHI & YU-JのDouble Routine決勝は2:16:30〜)

 

Kazane:機材の故障は100歩譲って認められますけど、もう1回チャンスを与えるべきでしたね。

 

Yo:会場からはギリギリ見えていて、YOSSHIさんとYU-Jさんもなんとかやれていたみたいですけど、あれはひどかったと思います。

 

-SUPER BALLの意義や、勝ち抜くことの意味はどう考えていますか?

Kazane:世界大会なので、4位という結果でも周囲の反響は大きかったですね。だからこそ、勝ち抜いて優勝した時には、どのくらい自分に返ってくるものが大きいのか、期待感が沸いてきました。特に今大会は、勝つことの重要性を実感しましたね。

もちろん日本の大会も重要ではありますけど、SUPER BALLは単純に見ている人の数も違いますし、いろいろなことを伝えられる場所ではあると感じています。

 

SUPER BALLに出ること自体に価値はありますし、フリースタイルフットボールが好きなら、あの空間にいて楽しくないはずはないです。

それは今年初めて出場したAmaやKo-suke(MAX)、Yu-riも感じていたことなので、来るべき大会ではあると思います。

 

Yo:僕は表彰台に上っても、あまり変わらない気はしました。SNSのフォロワーが増えたり、メッセージがたくさん来たりはしますけど、それはどの大会でもあることです。結局は業界内での影響しか生まれないんです。

正直、優勝してもそこまで変わるのかは疑問に思います。他のマイナーなカルチャーの選手を見ても、世界一を獲ったからといって、あまり生活は変わっていないような気はします。自分たちから発信していくことも必要ですけど、フリースタイルフットボールの価値自体がまだまだ低いのが現状です。

もちろん生活が変わる可能性がゼロではないものの、これは永遠の課題だと感じています。

 

SUPER BALLには行くべきだとは思います。世界観が変わりますし、大きなモチベーションになるはずです。海外のフリースタイルフットボールで生活している選手とコミュニケーションを取ることもできるので、チャンスは広がります。

 

-次回のSUPER BALLに向けて、意気込みをお願いします。

Kazane:もちろん、今までと変わらず優勝を目指していきます。たしかに今回の結果で生活が大きく変わったわけではないですけど、フリースタイルフットボールに対するモチベーションはすごく上がりました。

それはAir Technicianのメンバーも同じだと思いますし、みんなが得たモチベーションを集結させて、もっとバトル以外の面でも精力的に動いていきたいです。結果的に、その活動がバトルにも還元されていけば良いと思います。

 

Yo:良い意味で、今から行動しようという気持ちにはなりましたね。

 

Kazane:大会直後から、仲間うちで良い雰囲気も漂ってきていますし、やらなきゃいけないという気持ちがみんなにも伝わっているはずです。結果も出さないといけないですし、それ以外の部分でもやれることはたくさんあると感じました。

そういう気持ちを、この大会を通して感じてくれる人が増えていけば良いと思います。特にフランス勢は印象的でした。普段からショーケースをやっているような生き方で、この人たちにお金が発生する理由が分かったような気がします。

 

Yo:僕らも彼らのような人とコミュニケーションを取りながら、良いものは取り入れていきたい思っています。バトル以外での新しい発見も含めて、今大会は特に濃い時間を過ごすことができました。

 

Kazane:この大会を通して、少しずつチームとしても成長できている部分があると感じています。とはいえ、まだまだ地位が確立されているわけではないので、これから積み上げていきたいですね。

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投稿者プロフィール

Hiromu Tanaka
Hiromu Tanaka
中学生からフリースタイルフットボールを始め、大会やパフォーマンスなどに積極的に参加。現在はフリーランスで、スポーツを中心に様々なWebコンテンツを配信。JF3の運営をはじめ、フリースタイルフットボール界を盛り上げるべく、多岐に渡る活動を行っている。

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