世界で最も権威ある大会。RBSSの10年間の歴史を振り返る!
世界で最も権威のある大会と称される「Red Bull Street Style World Final」。世界各国の予選を制したフリースタイラーが一堂に会し、世界チャンピオンの座を争うことから、フリースタイルフットボール界の“ワールドカップ”と位置付けられている。
そんなRed Bull Street Style World Finalは、2008年に初代大会が開催されており、今年で10周年を迎える。WFFA(世界フリースタイルフットボール連盟)は、10年間の歴史を振り返る動画を公開している。
出典:theWFFA
日本人の活躍を含め、これまで様々なドラマを生んできたRBSSの歴史を紐解いていく。
2008年
出典:WorldSportTV
ブラジルで行われた記念すべき第1回大会。Rocco(ハンガリー)、Palle(スウェーデン)、Nam The Man(アイルランド)など、今ではレジェンドと称されるようなプレーヤーが目白押し。ヘッドジャッジは元オランダ代表のダービッツが務めた。
決勝は横田陽介とSean(フランス)の対決となったが、このバトルは今でも語り草になっている。ロングパンツとスニーカーでフリースタイルフットボールをするという概念は、ここから生まれたといっても過言ではない。
当時は今とはルールが異なり、3分間で1ターン20秒“以内”という制限があった。20秒以内であれば自由にターンを終えられるため、全体のターン数は決まっていなかった。
大会後はその模様がテレビなどでも特集され、フリースタイルフットボールが周知される大きなきっかけとなった。
2010年
出典:Red Bull
2010年ワールドカップの開催地・南アフリカで行われた第2回大会。南アフリカ出身のKamalioが決勝まで進出したこともあり、会場は大いに盛り上がりを見せていた。決勝ではAzun(ノルウェー)がそのKamalioを下し、優勝を果たしている。
トップ8では、前回大会王者のSeanがFaruk(オーストリア)に破れる波乱があった。日本からは当時18歳のTokuraが出場したが、残念ながら予選敗退に終わった。
2012年
出典:Red Bull
イタリア・レッチェのローマ劇場で開催され、その美しい景観が印象的だった2012年大会。ジャッジには元イタリア代表キャプテンのファビオ・カンナバーロが名を連ねた。
この大会から30秒×3ターンという現行のルールが定められた。日本からは、国内予選を2連覇したTokuraが再び出場し、Mikolaj(ポーランド)、Boyka(コロンビア)、前回大会準優勝のKamalioを下し、決勝に進出した。
決勝ではDaniel(アイルランド)を下し、当時20歳で史上最年少優勝、そしてアジア人初優勝を果たした。帰国後は多数のメディアに出演し、シグネチャートリックである「トクラクラッチ」が世に広まった。
また、この大会から新たに女子部門が設立され、Kitti(ハンガリー)が初代世界王者に輝いている。
2013年
出典:Red Bull
RBSSは今まで隔年で開催されていたが、例外的に前回から1年後に開催された2013年大会。しかも、開催地は日本だった。
アジア初開催の舞台は、東京・増上寺。大会期間中は全国からフリースタイラーが集い、増上寺付近にある芝公園で、世界のトッププレーヤーとの交流を楽しんでいた。また、ゲストジャッジとして、元イタリア代表のマテラッツィが来日した。
日本からは国内予選を突破したNaoと、前回大会王者としてTokuraが出場した。いずれも予選を突破し、決勝トーナメント進出を果たしたものの、Naoはトップ16でBencok(ベルギー)に敗れた。
Tokuraは準決勝まで進出したが、Szymo(ポーランド)に敗れ、惜しくも2大会連続の決勝進出を逃した。そのSzymoが決勝でCharly(アルゼンチン)を下し、優勝を飾った。なお、女子部門ではKittiが2連覇を果たしている。
2014年
出典:Red Bull
2014年ワールドカップの開催地・ブラジルで行われた2度目のRBSS。ゲストジャッジに元ブラジル代表のライーを迎えて行われた。
日本からはHiro-Kが出場し、予選を通過したが、トップ16でBencokに敗れた。Bencokは前回大会でもNaoをトップ16で下しており、2大会連続で日本王者を撃破している。
決勝はAndrew Henderson(イングランド)とCharlyの対戦になり、Andrew Hendersonが優勝を果たした。Charlyは2年連続の決勝進出となったが、またも涙を飲む結末となった。
最大のサプライズは、当時17歳のErlend(ノルウェー)が、BencokやPedrinho(ブラジル)といった強豪を下し、3位に輝いたことだった。また、女子部門では決勝でMelody(フランス)がKittiを破り、Kittiの3連覇を阻止した。
そして、この大会まではMONTAボールを使って1ボールでバトルするルールだったが、2ボール形式に変わり、MONTAボール以外も使用可能となった。これによって、RBSSの「1Ball, 2Players, 3minutes」というコンセプトが消滅した。
2016年
出典:Red Bull
イギリスの首都・ロンドンで開催された2016年大会。ゲストジャッジには、元イングランド代表のギャリー・ネヴィルを迎えた。
日本からはKo-sukeが出場し、日本人3人目となる決勝進出を果たした。決勝ではCharlyと対戦したが、惜しくも敗れて準優勝となった。Charlyは2大会連続で準優勝に終わっていたが、3度目の決勝でようやく初優勝を掴み取った。
女子部門は、MelodyがAguska(ポーランド)を下し2連覇を達成した。
2018年の見どころ
今年のRBSSは、11月21日(水)に予選、22日(木)に決勝がポーランドで開催される。
RBSSでは、過去6大会中4大会で日本人がベスト4に進出している。簡単に言ってしまえば、数ある世界大会の中で、日本人が“勝ちやすい”大会ではある。
今大会には「JFFC 2018 supported by CHIMERA TV&GAMES」を制したKo-sukeが、日本代表として出場することが決まっている。前回大会では準優勝に終わっただけに、リベンジの想いは強いはず。
日本人選手の活躍はもちろん、サッカーファンにとってはゲストジャッジも注目ポイントとして挙げられる。毎年豪華なレジェンド選手がジャッジに招聘されており、今年は誰があの席に座るのか。
その他にも、前回大会王者で3年連続ファイナリストのCharly、女子部門2連覇のMelodyが、記録を伸ばし続けるのか。Charlyは、男子部門において前人未到の2連覇にも期待がかかる。
世界最強国・ポーランドで開催されるRBSSに、ぜひ注目していただきたい。
投稿者プロフィール
- 中学生からフリースタイルフットボールを始め、大会やパフォーマンスなどに積極的に参加。現在はフリーランスで、スポーツを中心に様々なWebコンテンツを配信。JF3の運営をはじめ、フリースタイルフットボール界を盛り上げるべく、多岐に渡る活動を行っている。
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