BBC、世界王者からの学びを胸に。世界最高峰を目指す17歳
17歳ながらBall Beat Crewのメンバーとして活躍し、日本一決定戦「JFFC」にも初回大会から3年連続で出場、昨年はベスト16進出を果たしているDaikichi。
ストリートサッカーをルーツとしている彼が、日本トップレベルのクルーに加入した経緯や、印象に残った“世界王者の言葉”に迫った。
ストサカをきっかけにフリースタイルの世界へ
Daikichiはサッカーをプレーしていた小学6年の時に、ストリートサッカーと出会う。そのきっかけは、当時指導を受けていたコーチにあった。
「コーチがドリブルの技が好きで、2FASTのDVDを貸してくれました。その映像に衝撃を受けて、当時は周りに誰も教えてくれる人がいなかったので、スローで何回も見直して練習していました」
2FASTはストリートサッカー専門のブランドで、世界のトッププレーヤーを起用して映像制作などを行っている。
そうして始めたストリートサッカーの影響で、中学ではフリースタイルフットボールを始めることとなる。
「ストリートサッカーの動画を見ている中で、選手たちが練習の合間にフリースタイルをしているのを見て、かっこいいなと思って始めました」
その後は中学2年までサッカーと並行してフリースタイルとストリートサッカーを続けていたが、徐々にフリースタイルの世界にのめり込んでいく。
始めて間もない頃に、ワールドカップで選手とともにフラッグを持って入場する“フラッグベアラー”を決める「Xperia リフティングチャレンジ」の動画予選に参戦した。予選を突破して決勝大会に出場したが、初戦でIbukiに敗れ、惜しくもフラッグベアラーの権利を逃した。
その悔しさをきっかけに練習を積み重ね、2015年には新設された日本一決定戦「JFFC 2015」に出場する。同大会では予選敗退に終わったが、2016年に再び参戦すると、全国から100人以上のフリースタイラーが集う中でベスト32の成績を残した。
そして、3年連続の出場となった昨年のJFFCでは、自身最高位となるベスト16進出を果たしている。
着々と階段を登っていったDaikichiは今年、自身の飛躍のきっかけともなったJFFCのオーガナイザーである横田陽介が率いる「Ball Beat Crew」へと加入した。
「陽介さんから『やってみない?』と誘われて、まずはサポートメンバーとしてBall Beat Crewに参加して、今年に入って正式にメンバーに加わりました。僕がフリースタイルを始めた時から有名なクルーだったので、憧れはありました」
DaikichiはBall Beat Crew史上最年少の17歳で、2番目に若いADACHINHOとは実に7歳差である。一回り上の先輩もいて、幅広いショーに出演できる環境に飛び込むことで、今までにない刺激を受けている。
「年上の先輩たちの振る舞いから学ぶことは大きいです。Ball Beat Crewに入らないとできない経験があって、チャンスがたくさん転がっていると思うので、それを無駄にしないようにしていきたいです」
憧れのクルーに加入し、フリースタイルフットボール以外の様々なカルチャーとも携わることで、今後はさらに表現力にも磨きがかかることだろう。
世界王者の印象に残る言葉
2月に行われたDAZN World Freestyle Mastersでは、世界で活躍する数多くのフリースタイラーが来日した。その中で、世界王者に輝いたMichrycやSUPER BALLを主催するLucasoと交流し、考えの幅が広がったという。
「特にMichrycが『フリースタイルにはいろいろな側面があるけど、一つのことに執着しすぎている部分もある。もっと視野を広げたら今まで以上に楽しくなる」と言っていたのが印象に残っています」
Michrycの言葉の真相は分からないが、スタイルの多様性や、他のカルチャーとの接点など、様々な意味で視野を広げることの重要性を指摘しているのではないだろうか。
Daikichiに世界大会を間近で見て感じたことは何かと問うと、「スキルの高さ」と答えた。彼自身はエアームーブが主体のスタイルではないものの、世界のハードコアなエアームーバーに「憧れはある」とのことだ。
ただ、Michrycと同様に、何か一つのスタイルに固執することは好んでいない。
「僕はどのスタイルも好きですし、自分が好きなスタイルがあることは良いことだと思います。ただ、エアームーバーがエアームーブだけ、クラッチスタイルの人がクラッチだけに収まってしまうのはもったいなく感じます」
経験を糧にRBSSファイナルの舞台へ
Daikichiはストリートサッカー特有のグラウンドムーブや、ブレイクダンス特有のアクロバットなどを取り入れ、ジャンルに捉われないスタイルを構築しており、フリースタイルフットボールという名前どおりの“自由”なパフォーマンスを体現しているように思える。
その多様性を認める姿勢こそが、若くして日本のトップレベルに上り詰めた理由なのかもしれない。
3月には高校生日本一決定戦「HIGH SCHOOL No.1」に出場したが、惜しくも準決勝で敗れた。大会前に「同世代には負けたくない気持ちが強い」と語っていただけに、悔しさの残る大会だっただろう。
とはいえ、4月で高校3年生になったDaikichiには、再び高校生日本一の称号を目指す権利が残っている。そして、彼が目標に掲げているのは「Red Bull Street Style World Final」への出場であり、その称号でさえ通過点に過ぎない。
自国開催の世界大会やBall Beat Crewでの経験を糧に、今後も進化を続けていく。
投稿者プロフィール
- 中学生からフリースタイルフットボールを始め、大会やパフォーマンスなどに積極的に参加。現在はフリーランスで、スポーツを中心に様々なWebコンテンツを配信。JF3の運営をはじめ、フリースタイルフットボール界を盛り上げるべく、多岐に渡る活動を行っている。
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