エアームーブを得意とする若手フリースタイラーが集う「Air Technician」。昨年末にはメンバーを新たに3人加え、勢力を拡大している。

そんな、今最も勢いのあるチームといっても過言ではない“エアテク”の、主要メンバーとして活躍するKazane、Yo、Ibukiの3人の対談が実現した。前編では、昨年に出場したSUPER BALL 2017でのエピソードや、今のフリースタイルフットボール界に想うことを明かす。

エアテク設立から現在に至るまで

-まず初めに、エアテクを作った経緯は?

Kazane:エアテクを作ったのは僕とKoheiです。僕が中学1年の時なので、今から8年前になりますね。当時は同じ世代のフリースタイラーをKoheiしか知らなくて、会ってすぐに、とりあえずチーム作ろうぜ!というノリで(笑)それから1年半くらい後にYoが入ってきました。

※Kohei・・・関西を中心に活動していたエアームーバー。現在は映像制作の仕事に就いている。

Yo:たしかブラさん(Brian)経由で繋がったんだよね。YJAMか何かでブラさんが僕にKazaneを紹介してくれて、僕がKazaneのいる滋賀まで遊びに行ったのが始まりです。

Kazane:俺もYouTubeでYoの動画を見たことはあって、同い年でこんなにフリースタイルやってる奴いるんだと思って。夏休みに滋賀に来てよ!と言ったら、そこにOCHIOさんとKoheiも来て、1週間くらい合宿をやっていました。とはいえ、チームとして何か活動するわけでもなかったけど。

作って数年が経って、エアテクをどうしていこうかと話した時に、とりあえず最強チームになろう、みたいな中二病満載のコンセプトを考えていて(笑)今は僕たちが下の若手を引っ張っていけるくらいになって、さらにそこから日本も引っ張っていくために、人数を増やしています。

Yo:1、2年前くらいまでは本当に勢いだけでやってたね。最近やっと方向性を見出してきたかな(笑)

Kazane: 気づいたら大きくなってきたし、何かやらないといけないかなって。昔は10代のエアームーバーをYouTubeで見つけては声をかけて、会える会えない関係なくメンバーに入れてたけど。

Ibuki:俺の地元の兵庫にもおったよな。たしか姫路あたりに。

Yo:名古屋に誰かいたのも覚えてる。

Kazane:いろんな人がいたし、俺ですらまだ会ったこと人もいるから(笑)ただ、この前入った3人はしっかりと会って話を重ねて決めたから、そこに方向性の変わり方が出てるかな。

Yu-toに関してはスキルのインパクトの高さで決めたところもあるけど。Air Technicianという名前にふさわしいスキルを持っているし、高校生の層も欲しかったから。

Ibuki:その3人を入れる話は1年半前くらいからずっとあったもんな。

Yo:3人のツイッターをチェックしたりして慎重に決めてたからね。炎上しそうにないかとか(笑)

 

Kazane:今はこの3人がメインでやっていますけど、他のメンバーもメインに取り込んでいきたい気持ちはあります。僕らが意識的に高くなったのが2015年の終わりくらいで、2016年に俺とYoが上京して、今の事務所も絡んできて。その時に僕らが3人で1つのパッケージみたいになっていたので、この3人が主体になったという感じです。

Ibuki:大会に関していえば、メンバー各々でとにかく暴れ回りたいよね。

Kazane:出るからにはエアテクを背負っているわけだし、そんな簡単に負けられないという良い意味でのプレッシャーはかかってるはず(笑)だからこそ、去年のFREESTYLE FESは新メンバーも頑張れたと思うし。

みんな「緊張したわ〜」って言ってたよ。予選落ちしたらどうしようみたいな(笑)

Ibuki:結果的にはみんな予選を突破して、決勝トーナメントは16人中7人がエアテクだったからね。

Yo:その現象をSUPER BALLとかでも起こしたいよね。

Ibuki:国内じゃなくて世界大会で。

Kazane:今はかなり大会でも勝てているから、逆に俺らを潰しにくるような人たちが出てくると面白い。

Ibuki:それもできれば下の世代でね。

Kazane:間違いない。ビッグマウスじゃないけど、今はかなり上位を独占できているから、同世代か下の世代が潰しに来てくれればシーンももっと盛り上がると思うし。

 

Ibuki:最近はエアテクが同世代とか下の世代にとってブランド化していて。ただ「エアテクはエアテクだから」と別物にされるのはもったいないかな。

Kazane:あまりにも大所帯にしすぎると、それはそれでシーンが回らなくなりそうだから危険視はしているけど。

Ibuki:今くらいがちょうどいいかもね。

Kazane:前は下部組織を作ろうとかも話してたけど(笑) 

Ibuki:2部制にして、大会ででかい賞を獲ったら昇格みたいな(笑)

昨年のSUPER BALLで味わった悔しさ

-最近は大会でエアテク勢の直接対決も当たり前になってきたね。

Ibuki:KT STREET KINGの時はかなりテンションが上がったし、楽しかった。

Yo:決勝だったから2人ともかなり暖まってたしね(笑)

-最後はKazaneが優勝したけど、負けたIbukiも嬉しそうだったのが印象に残ってる。やっぱりみんな、メンバーが活躍してるのを見ると嬉しい?

Yo:それはもちろん。俺は、うわあ、すげー!ってなる(笑)

Kazane:そこは3人で違うのかも。直接対決になると、俺はなんとも言えない気持ちになる。運で勝つこともあるから、俺、今日勝っちゃったよ!って思うこともある。メンバーを倒したら、その後優勝しないとやばいっていうプレッシャーもあるし。

Yo:負けたやつの分も背負ってやらないといけないからね。

Ibuki:序盤で当たると尚更そういう気持ちになるかな。

-だからこそ、去年のSUPER BALLのベスト16でYoがKazaneに勝ったけど、怪我をしてベスト8で辞退したのは余計に悔しさがあった?

Yo:本当に悔しさしか残らなかったです。Kazaneには申し訳なかったし、何も言えなかった。あれは一生忘れないと思う。

Kazane:あの日はかなり印象に残ってる。逆に、あれがあったからこそチームとして何かが芽生えたかなと思うけど。

-Ibukiはベスト32でAlekseev(ロシア)に負けたけど、負けた感じはしなかったね。

Yo:いぶさんの負け方って結構ああいう感じだよね。俺らからしたら、いぶさんっしょ!みたいな。

Kazane:微妙な判定で負けるという。

Ibuki:割れるやろうなとは思ってたけど(笑)1ターン目がちょっとグダったし、ベスト16からが勝負だと思って変に隠してたところもあったかな。

-今は事務所にも所属してるけど、下の世代に食っていけるところを見せたいという気持ちはある?

Ibuki:めちゃくちゃありますし、やっていかないといけないと思っています。

Yo:やっていくべきだね。

Kazane:親も、子どもには将来の可能性にかけてスポーツや習い事をやらせるじゃない。その可能性すらないカルチャーになるのは嫌だから。

Yo:俺らにとってはTokuraさんが、頑張ればああなれるという指標ではある。

Ibuki:あれが5人、10人と出てくれば、今よりも夢のある世界になるよね。

小さなカルチャーを夢のある世界に

-今のフリースタイルフットボール界で、変えていきたい点はある?

Kazane:半端なくあります。

Ibuki:何から話していったらいいのか…

Kazane:国内だけじゃなくて海外にもあるしね。みんなそれぞれ、自分が思うことをTwitterやブログで発信してるじゃない?それにももちろん意味はあるんだけど、一人一人への影響力というのはあまりないのかなと思う。これあいつのこと言ってるのかな、と感じるくらいで。

それこそエアテクの新メンバーを入れた時みたいに、直接会って思いを伝えることが一番大事かな。

 

Ibuki:この狭いカルチャーで、食べていくとかプロでやっていくのが難しいのは分かるけど、好きでやっていることに対して、あらゆる可能性をもっと信じてほしい。せっかく好きでやっているのに、何も信じずに限界値を勝手に決めてしまうのはもったいないから。

Kazane:俺らが下の世代を見ていても、こいつは食おうとしているとか、趣味でバトルに出て勝てば嬉しいだけとか、そういうのはなんとなく分かる。

もちろん俺らのような人が増えてきてほしいし、稼ごうとする人が増えれば増えるほど、上も下も触発されていくし。そういう意味でも、俺らがもっと注目されていってほしいよね。

大会自体も、もっと夢のある大会にしていかないと。世界大会ですら賞金が出ないこともあるし、そんな状況だと俺らが「がんばって稼ごうぜ」って周りに言うことにも責任が出てくるし。夢のない世界に無理やり引き込むのも悪いな、というか。

Ibuki:業界も変えていかないといけないし、自分たちのファンを増やしていくことも大事だよね。

Kazane:そういう意味ではJames Jみたいな人も、もっといて良いと思う。今の若者たちが見ていて面白いと思う企画とか映像を、フリースタイルを通じてやれれば面白い。俺も映像制作や服装を含めて、いろいろな表現をしていきたいと思ってるし。

Yo:俺に関していえば、完全にスキルで自分を表現するタイプだけど。

Kazane:そうやってエアテクの中で個々が自分の色を出していければいいよね。

Yo:俺らは絶対的な信頼があるから、お互いがやっていることに対して、それどうなの?とは思わないし。むしろ、それいいじゃん!みたいな。

Kazane:そういう楽しさを保ちながらも、経済的にも余裕ができるくらいになれればベストかな。

Ibuki:ボール一つで海外にも行けて、夢のある生活ができればね。

→後編に続く

投稿者プロフィール

Hiromu Tanaka
Hiromu Tanaka
中学生からフリースタイルフットボールを始め、大会やパフォーマンスなどに積極的に参加。現在はフリーランスで、スポーツを中心に様々なWebコンテンツを配信。JF3の運営をはじめ、フリースタイルフットボール界を盛り上げるべく、多岐に渡る活動を行っている。